前節アストン・ヴィラ戦でのショッキングな敗戦から、代表ウィークをはさんでの第5節はエヴァートンとのマージーサイド・ダービー。
ハメスやアラン、ドゥクレといったビッグネームを獲得し、覚醒したカルバート=ルーウィンの活躍などで開幕4連勝と絶好調のエヴァートン。
ライバルの連勝記録を伸ばさせるわけにはいかない一戦の振り返りです
スタメンと結果

新型コロナに感染していたマネとチアゴが戻り、ヘンダーソンも怪我から復帰。アリソンこそ負傷で欠いていますが、ほぼベストメンバーとなったリヴァプール。フィルミーノに代わってスタメン予想もされていた南野は残念ながら出番なし。
対するエヴァートンも好調カルバート=ルーウィンに加え、ハメス、アラン、ドゥクレと新加入選手をスタメン起用、ビッグネームが揃うダービーマッチとなりました。
1st HALF 悪夢のファン・ダイク負傷離脱
- 3分
GOAL開始早々マネ先制ゴール!右から左へとワイドな展開から深い位置まで上がったロバートソンがクロス。
これにマネが合わせてゴールネットへ突き刺して先制点。ハメスが高い位置を取り手薄になったエヴァートンの右サイドをうまく使ったゴールになりました。
- 4分左サイドからヘンダーソン決定機
先制点と同様に左サイドでのロバートソンとマネの連携から、最後はフリーでエリア内に侵入したヘンダーソンが頭で合わせてシュート。ゴールとはならずも前節の体たらくが嘘のような攻撃をしかけます。
- 11分悪夢、ファン・ダイク負傷交代
ピックフォードとの接触により負傷したファン・ダイクが早々にゴメスと交代。接触のシーンはかなり悪質でノーカードなのは納得いかん。
これでアリソン、ダイクという守備の柱を2本怪我で失うことに、やばいよやばいよ…
- 19分
GOALハメスの存在感と同点ゴール徐々にハメスのもとにボールが集まり、ハメス経由でのチャンスが増えてきたエヴァートン。
19分にコーナーキックを得るとキッカーはハメス。これにキーンが頭で合わせて同点ゴール。ファン・ダイクがいてくれたら…
- 31分コールマン負傷により交代
エヴァートンにも負傷交代、コールマンが退きゴドフレイが入ります。こちらは自業自得な感じでしたが、ダービーとはいえ荒れた試合は勘弁。
- 33分ヘンダーソンのサイドチェンジからチアゴのシュート
負傷明けでスタメン復帰のヘンダーソンですが、攻守にわたりさっそく抜群の存在感。右サイドから大きくサイドチェンジ、受け取ったマネがマイナスに折り返し、最後はチアゴがミドルシュート。
ダービーであることを差し引いても非常に見応えのある内容となった前半。ビッグチャンスを迎えたと思えば一気にピンチと、ともに攻守の切り替えが非常に早い!
アンチェロッティ体制2年目を迎え、的確な補強を行ったエヴァートンは成績通りの強さを見せてくれましたね。
内容はいいだけにファン・ダイクの負傷だけがいらんかった。
2nd HALF エヴァートン荒すぎ
- 47分左サイドを攻めの起点にヘンダーソンミドル
後半も前半と同様に、マネとロバートソンが左サイドでくずしてフィニッシュまで持っていく形が攻めの基本。
47分にはチアゴのボールキープからマネとロバートソンで左サイドを攻略。ヘンダーソンのミドルシュートまで早い攻めを見せます。
- 49分ハメスのサイドチェンジからエヴァートン決定機
ハメスがボールを持つと攻撃のスイッチが入るエヴァートン。
対角のディーニュへサイドチェンジのボールを入れるとワンタッチで折り返し、カルバート=ルーウィンへのボールはアドリアンのナイスセーブによって難を逃れます。
- 52分ロバートソンが倒され試合は荒れ模様
ミナに押されたロバートソンがアランと接触して転倒。やっぱり試合は荒れた展開に、最終ラインの怪我は本当にやめてほしい。
- 72分
GOAL好調サラーの一発ヘンダーソンのクロスのこぼれ球をサラーがネットへ突き刺してゴール。
絶好調のエースによる2得点目はリヴァプールでの公式戦100ゴールとなるメモリアルなゴールとなりました。
- 78分フィルミーノに代えてジョタ投入
マネがトップ、右サラー、左ジョタのスリートップにチェンジ。
これまでフィルミーノ→南野が鉄板だっただけに南野は出場機会確保がさらに厳しくなったかも。
- 81分
GOALカルバート=ルーウィンのゴールで同点やっぱりこの男にやられたか、カルバート=ルーウィンが高めのクロスにうまく合わせて開幕5試合連続となる同点ゴール。
- 89分リシャリルソンがレッドで退場
チアゴへの悪質なタックルでリシャリルソンが退場。エヴァートン荒すぎ。
- 90+2分ヘンダーソンゴール!!と思いきやVAR取り消し
チアゴの最高のスルーパスを受けたマネの折り返しにヘンダーソンが合わせてゴール!
かと思いきや、マネの右腕が若干出ていたようでオフサイドによる取り消し…
VARチェックでも微妙すぎる取り消しに興ざめ…
このまま試合は2-2で終了。
ともにボールを持つとまずはゴールへという強い意志でのプレーの連続で、相当ハイレベルな試合になりました。2-2の引き分けは内容的には妥当だったと思います。
ただダービーらしいといえば聞こえはいいですが、エヴァートン側のプレーの荒さと最後の微妙すぎるVAR判定だけが残念。
もっとも気がかりなのはファン・ダイクの足の状況。手術が必要で半年以上かかるかもと噂もあり…ゴメスとマティプはもう怪我している場合じゃないぞ。頑張ってくれ!
戦術考察
Embed from Getty Images自陣に引いた際は両WGのリシャルリソンとハメスが下りることで4-5-1のブロックを引いて守備対応を行ったエヴァートン。

高い位置での守備ではハメスが上がり、中盤が右にスライドすることで4-4-2のブロックを作りましたが、ハメスの前へのプレスとスライドのタイミングのずれからスペースができることも。

この試合ではロバートソンとマネのコンビネーションからいくつものチャンスをつくりました。先制点のシーンではハメスのファン・ダイクへのプレスによりスペースが生まれ、アレクサンダー=アーノルドから中央のサラーを経由してロバートソンへ。
最後はロバートソンからのラストパスをマネが押し込んでのゴールでしたが、その直後にも同様の形でヘンダーソンのシュート。後半にもほぼ同じ形でマネに決定機が生まれるなど、左サイドでの攻撃を徹底。
ハメスには攻撃の面でかなりやられましたが、守備対応に移行する際のわずかな隙をつくロバートソンとマネのコンビネーションは見事でした。
データで振り返る

平均ポジションとヒートマップ
出典:WhoScored.com
ロバートソンを中心に左サイドから多くのチャンスを作り出したリヴァプールですが、エヴァートンのヒートマップを見ても明らかにハメスが中央に寄るためサイドが空いています。
フィニッシュまで持っていける機会も多く、もう2点くらい入っていてもおかしくなかった試合でした。失点に関してはどちらも競り合いによるヘディングで決められており、ファン・ダイクがいれば…とたらればを言っても仕方ないですが、そう感じる内容となりました。