BABYMETAL「METAL GALAXY」による未知との遭遇

アイドルとメタルの融合という、発明とも言える音楽を生み出し今や世界中のフェスに引っ張りだことなっているBABYMETAL。 "メタルの銀河を旅する"をテーマに、前作から3年半ぶりにリリースされたアルバム「METAL GALAXY」。待たされた甲斐のある傑作となっています。それにしても”世界同時発売”とか”全世界待望”なんていう言葉が、まったく違和感なく受け入れられているのってすごくないっすか?

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圧倒的な経験値が生み出す大作アルバム

日本盤のみ収録となっている2曲を含め全16曲収録、BABYMETAL初となる2枚組の大作となった「METAL GALAXY」。前作から3年半という期間を経てリリースされた今作、この期間には主にライブ活動を行っていたわけですが、その出演ライブの内容が半端ない事になっています

主なライブをざっとあげるだけでも

  • ロンドン「ウェンブリー・アリーナ」 日本人初ワンマンライブ
  • 「フジロック・フェスティバル」「サマーソニック」「ライジング・サン・ロックフェスティバル」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」 国内4大フェス制覇
  • 「東京ドーム公演」2DAYS
  • レッド・ホット・チリ・ペッパーズ サポートアクト
  • メタリカ サポートアクト
  • ガンズ・アンド・ローゼズ サポートアクト
  • アメリカ「Rock On The Range2018」日本人初ヘッドライナー
  • イギリス「Download Festival2018」
  • ジューダス・プリースト サポートアクト
  • イギリス「Glastonbury Festival2019」日本人初メインステージ

もうこれ以上のとこ無いじゃんwという会場でのライブや、レジェンドバンドのサポートアクトばかり。さらに合間にはアメリカツアーやヨーロッパツアー、日本での凱旋ライブをこなす売れっ子ぶり。圧巻はなんと言っても「Glastonbury Festival」の出演でしょう!世界最高の音楽フェスでのSU-METALの堂々たる佇まいは、人生2周目なんすかと疑いたくなるほどの貫禄を見せつけていました。

今までの日本人が、誰も経験してこなかった舞台を次々と制覇していくなかで生まれた作品。もうアイドルとメタルの融合というコンセプトを越えて、メタル界どころか音楽界そのものの新しい道を切り開いてくれそうな、そんなエネルギーに満ち溢れています。

多彩なフィーチャリングゲストたち

今作では楽曲ごとの色に合わせて、ワールドワイドなフィーチャリングゲストを迎えているのも特徴のひとつ。

Disc.1#2「DA DA DANCE」では言わずとしれたB'zのギタリストTak Matsumoto

Disc.1#5「Oh! MAJINAI」ではスウェーデンのパワーメタルバンド、サバトンからボーカリストのヨアキム・ブロデーン

Disc.1#6「Brand New Day」ではアメリカのプログレッシブ・メタルバンド、ポリフィアからギタリストのティム・ヘンソンとスコット・ルペイジ

Disc.2#2「Distortion」ではスウェーデンのメロディックデスメタル・バンド、アーチ・エネミーからボーカリストのアリッサ・ホワイト=グラズ

Disc.2#3「PA PA YA!!」ではタイのヒップホップシンガー、F.HERO

前作までには無かったゲストを5人、しかもアジアにアメリカ、ヨーロッパと文字通りワールドワイドにプロフェッショナルたちを迎え入れています

メタルの可能性を探るDisc.1

オープニングナンバーはいつにもましてエレクトロ感が強い#1「FUTURE METAL」。メタルの未来を見せてやると言わんばかり、BABYMETALのまったく新しい姿を見せてくれるような期待感を抱く曲につづく#2「DA DA DANCE」では、さっそく度肝を抜かされました

B'zの松本さんがゲストだし、超正統派なギターリフ主体のハードロック・ナンバーかと思いきや、まさかの90年代風TKサウンドw そういえばB'zとしてデビュー前にはTM NETWORKのサポートもやってましたね、松本さん。途中のコーラスではもろに「オーバーナイト・センセーション♪」と歌ってしまってますしw

TRFリスペクトな楽曲を経て、すでにおなじみとなっているメタルダンスユニットの真骨頂#3「Elevator Girl」、エキゾチックなインドメタル#4「Shanti Shanti Shanti」へとつづくと、またしても問題作#5「Oh! MAJINAI」が現れます。北欧民謡的なアプローチの楽曲にSU-METALのクリア・ヴォイスと、ヨアキム・ブロデーンのデス・ヴォイスが絡み合う強烈な楽曲。

その後無理やり形容するならシティポップ・メタルとでも言うような#6「Brand New Day」、日本盤限定収録の#7「↑↓←→BBAB」ではダンス・ポップに振り切ったサウンドに、ゲームファンならニヤリとするような歌詞が乗っかります。タイトルも完全にコナミコマンドを意識してますしね。そして「メギツネ」を彷彿とさせるリズム感の#8「Night Night Burn!」でDisc.1は幕を閉じます。

メタルを深く掘り下げるDisc.2

壮大なコーラスとデスヴォイスの#1「IN THE NAME OF」によって幕を開けるDisc.2は、BABYMETALが今までのBABYMETALとして正当進化を遂げたような姿を見せてくれます。

メタル界の重鎮、アーチ・エネミーのアリッサ・ホワイト=グラズをゲストに迎える#2「Distortion」は直球のメロスピナンバー。タイのヒップホップ・シンガー、F.HEROをゲストに迎え、すでにライブでのブチアゲ曲となっている#3「PA PA YA!!」は、SU-METALのクリアな歌声と野太いF.HEROの声の対比がいかにもBABYMETALらしい楽曲。

#4「B×M×C」は狂言のような歌いまわしの超難曲。ライブでこれを歌いこなしたらめちゃくちゃかっこいいだろうな。つづく3曲#5「Kagerou」#6「Starlight」#7「Shine」はものすごく安心感のあるメロディック歌謡メタルナンバーとなっており、リスナーがこのあとはこう来てくれたら一番気持ちいい! という展開を見事になぞってくれていて、まるで制作陣から「こういうのがええんやろ?」と言われているよう。その問いにはもちろん「はい、大好物です」と答えます。

アルバムを通してのラストナンバー#8「Arkadia」は北欧神話で理想郷を意味する言葉。Disc.1での未知との遭遇、Disc.2では世界の深さを知り、メタルの銀河を旅する中でついに見つけた理想郷。エンディングでありながら新たな始まりをも予感させる壮大な楽曲で作品は幕を閉じます。

作品を通して改めて思ったのが、日本語の響きや歌謡曲の要素を大切にしていること。メタルやダンスといった洋の文化に、引けを取らない和の要素をミックスさせることで唯一無二の世界観を作っているのは間違いないです。世界中で受け入れられるには、日本人としてのアイデンティティをしっかり確立させていることは絶対条件になるんでしょうね。あとはやっぱりKawaiiは万国共通で正義ってこと。

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