「夢」の真実を歌う、2つの曲

世の中には「夢」を題材にした楽曲が日々量産され続けています。たいていは「願えば夢はかなう!」「あきらめないで、ほらもう少し!大丈夫!」といった、夢はあきらめなければ必ずかなうよという楽曲。ほとんどの場合こういった曲を届けるのは夢をかなえた側であり、才能の上に努力を積み重ね、さらに運も味方につけ、勝ち取った場所から夢はかなうと歌っています。

ですが、夢ってのはたいていは願ってもかないませんし、あきらめないで努力を積み重ねても届かないことがほとんどですよね。選ばれし者たちが夢はかなうんだぜと歌ってもどこかリアリティがないというか、そこに真実はないような気がしてしまいます。

そんな夢を題材にした楽曲の中でたった2曲だけ、真実に触れていると感じた曲と出会うことができたので紹介します。

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Syrup16g「夢」

1996年に結成され2008年に解散、その後2014年に復活を遂げたスリーピースバンド「Syrup16g」。フロントマンの五十嵐隆の卓越したメロディーセンスと、人間の深層心理をえぐり核心をつく歌詞は、ヒットチャートに乗るようなJ-POPに辟易としていたリスナーに衝撃を与えました。

そんな「Syrup16g」の5thアルバム「Mouth to Mouse」に収録されている「夢」という楽曲。曲名からはよくある「夢をかなえよう」という楽曲を連想しますが、この曲が訴えるのはその先の世界。夢をかなえた側がかなえた後の苦悩を赤裸々に伝えます。

夢は何となく 叶わないもんだと思ってきたけど

何てことはない 俺は夢を全て叶えてしまった

Syrup16g「夢」

重々しい演奏とともに、この曲では夢をかなえてしまったと歌っています。夢を見ることはもちろん大切なことで、そこにたどり着くために人は努力をします。しかしその場所にたどり着くことだけを目標に設定してしまうと、その先の世界がまったく想像もできなくなってしまう危険性もあります。

本気でいらないんだ 幸せはヤバいんだ

Syrup16g「夢」

結局夢というのはたどり着いた瞬間に現実になります。憧れている間はキラキラと輝いている場所でも実際に自分の目で見るとイヤな部分も見えてしまったりしますよね。学校や会社に入ったときなどにこんなはずじゃなかったと思った経験は誰にでもあるはず。それがずっと憧れつづけていた場所だと一層ギャップに悩まされるかもしれません。

”幸せはヤバいんだ”

夢をかなえ幸せになったとしてそれは一瞬のこと、現実とのギャップに悩み、その場所に居続けるために失うものもあるでしょう。かなえた後の苦悩や虚無を訴えるこの楽曲も、まぎれもない「夢」が持つ一つの真実です。

765PRO ALLSTARS「M@STERPIECE」

2005年アーケードゲームとして誕生して以来、アニメ、ライブ、コミックスなど多岐にわたるメディアミックスを展開する人気コンテンツ「アイドルマスター」

アイドルに憧れる女の子が仲間たちやライバルと切磋琢磨しやがてトップアイドルになっていく。まさに夢をかなえる過程を描いた王道作品ですが、この通称アイマスの一つの集大成として作られた、劇場版アニメ「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」の主題歌としてリリースされた「M@STERPIECE」。この楽曲の中のあるフレーズに非常に衝撃を受けました。

夢は自分を叶える為に生まれた証だから

765PRO ALLSTARS「M@STERPIECE」

それがこちらのフレーズ。夢をかなえるではなく自分をかなえると歌っています。そして夢はその為に生まれた証だと。この1フレーズを聴いたとき、僕の中にある夢に対するイメージが一気に鮮明になりました。こんなにもしっくりくる表現があるのかと感動もしました。

自分をかなえる、つまり自分自身を理想とする姿に近づけるために夢に助けてもらう。夢ってそういう存在なんです。たどり着くことやかなえることだけが目的じゃない。自分をかなえるという目的のために、そばに寄り添って道を示してくれるような役割もしてくれるんです。ずっと見上げて憧れる続ける存在かと思えば意外とすぐ横で見ていてくれる。そんな姿も夢の真実なのです。

夢に振り回されないように

夢ってかなえることが大事だと思わされがちですが、結局かなえることも通過点に過ぎないんです。そしてかなわなくとも理想の自分に近づくための糧と思うことが大事。夢の存在に振り回されずにうまく付き合っていきたいですね。

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