【サッカー書籍レビュー】PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法

元日本代表のCBである岩政が試合中のピッチで何が起こり、そして選手は何を考えているのかを分析した書籍。この本を読むまで、僕が岩政大樹という選手について知ってたことは元代表選手で鹿島に所属していたこと。プロ生活を終えてからはYouTubeなどで解説をしているということくらい。

たまたま見たYouTubeでの解説を聞いて頭良さそうだなと思ったことと、サッカー本大賞2018受賞ということを知って興味を持ち読むことにしました。

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「PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法」内容の紹介

2017年9月16日発売、全287ページの書籍。全ページ下部欄外にキーワード解説が掲載されているため、本編はページ数の割には読み進めやすい文章量となっています。

こんな人におすすめ

  • 鹿島アントラーズサポーターの方
  • サッカーの言語化を目指す方
  • 岩政選手のファンの方

著者について

著者:岩政大樹

著者の岩政大樹さんは1982年生まれの元日本代表サッカー選手。2004年鹿島アントラーズに加入すると07~09年Jリーグ3連覇に大きく貢献、3年連続Jリーグベストイレブンに選出されます。

13年に鹿島アントラーズを退団すると、タイプレミアリーグのサーサナで1年間プレー。翌年ファジアーノ岡山に加入。17年には東京ユナイテッドFCに選手兼コーチとして加入し、さらに東大サッカー部のコーチも務めた。

18年シーズンをもって現役を引退すると、その後は解説業や執筆活動などで活躍。東京学芸大学在学中に高校数学の教員免許を取得する異例の経歴の持ち主でもあります。

内容について

執筆当時まだ現役だった岩政選手が試合中のピッチ内で何が起こり、そして選手は何を考えているのかを分析した書籍。日本代表まで上り詰めた選手が自身のキャリアを時系列順に振り返りながら書き上げる内容は、リアリティがありダイレクトに読み手に伝わります。

メインは鹿島アントラーズ時代の話しになりますが、ファジアーノ岡山時代なども含め”〇〇年〇〇節の○○戦でのシーンでは…”といった、印象的な実際の試合をもとにピッチで何が起こり、その時選手は何を考えていたのかが分かりやすく解説されています。

該当する試合を実際に見ている方は「あの時のシーンか」などと記憶を呼び起こしながら楽しめますし、見ていない方も場面が想像できるよう言語化されています。

さらにサッカーを言語化するにあたっての落とし穴についての考察も面白く、「ライン低すぎるだろ、もっと上げたほうがいいのに」とか、「今いい流れが来ている」などと、試合を見ているとついつい思ってしまう言葉たち。

外から見ているこちら側からすると、どうしてもその局面局面の一瞬を切り取って”良い状況””悪い状況”と、どちらかに決めつけて判断したくなってしまいます。ですがピッチ内で常に相手と対峙して駆け引きを続けている選手目線では、勝つための最善の判断をし続けているだけ。

常に攻守が入れ替わりつづける試合において、ラインの高低や流れの良し悪しに明確な優劣はないんです。

一時期何度も耳にした「自分たちのサッカー」という言葉。選手にとっても非常に便利で使いやすい言葉のようですが、なぜ選手がこのマジックワードを口にしてしまうのかも納得できるよう分析されています。

また、ページごとに”キーワード・関連記事”として言葉についての別の考察を行ったページが欄外に記載されているのですが、これが分かりやすい!

気になった言葉についてはすぐに視線を下に移し、そのまますぐに続きが読めるようになっています。

このひとつひとつのキーワードを全て自身の言葉と経験をもとに解説しているため、キーワードをググって検索すれば得られる回答ではなく、この本ならではの視点での解説となっています。選手間の裏話的なものもあるので、これだけでもサッカーファンは楽しめるかも。

「PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法」を読んでの感想

現役サッカー選手の書下ろしという内容に惹かれて読みましたが、サッカーという競技を非常にロジカルに分析されていてかなり読みごたえがありました。

さらっと読み進めるよりも、頭をフル回転させて内容を噛みしめたくなる本。

本書のなかでは一貫して「自分はへたくそで才能がない」と何度も書かれていますが、そのような自己評価の選手がいかにして常勝軍団鹿島アントラーズのCBとしてレギュラーを張り続けてきたのか。

サッカーに限らず今自分が置かれている状況で、何ができてどう貢献できるのかを考えるヒントになる本でした。

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