【ハンドの基準】手に当たってもファウルにならないのってどんな時?

現サッカー界の頂上決戦ともいえるようなプレミアリーグ第12節、リヴァプール VS マンチェスター・Cの試合で起こった2つのハンド誤審疑惑。自陣ペナルティエリア内で2度、たしかにアーノルドの手にボールは当たりました。「うわ、アーノルドやらかしたぁ…」とPKを覚悟しましたが、2度とも結果はノーファウル。助かったと思った反面、これは試合後物議を醸しそうで面倒くせぇだろうなと思いましたし、なにより素晴らしい内容の試合が選手のプレーの質ではなく、ハンド疑惑で語られるのが非常に残念。

2019/20シーズンからハンドに関するルールの改正がありました。結局この試合のシーンは誤審なのか、ルールに則って正しいのか、レフェリーの裁量はどの程度許されているのか。改正されたルールを確認しつつ検証してみます。

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ハンドのルールを規則を見ながら確認してみよう

競技規則によるとハンドのルールは以下の3項目に分かれています。

  • 必ず反則となる場合
  • 通常は反則となる場合
  • 反則とはならない場合

ひとつずつ確認していきましょう!

必ず反則となる場合

競技者が次のことを行った場合、反則となる。

●手や腕をボールの方向に動かす場合を含め、手や腕を用いて意図的にボールに触れる。

●ボールが手や腕に触れた後にボールを保持して、またはコントロールして、次のことを行う。
・相手競技者のゴールに得点する。
・得点の機会を作り出す。

●ゴールキーパーを含め、偶発的であっても、手や腕から相手チームのゴールに直接得点する。

出典:競技規則|日本サッカー協会

必ず反則となる場合は、意図的に手でボールに触れた場合や、手で触れた後にゴールやアシストといった直接得点に結びつくプレーを行うこと。そして手を使って直接ゴールすること。

明らかにわざと手で触っただろ! という場合や、オフェンス側のハンドによって直接ゴールに結びつく場合は必ず反則が取られます。ここはわかりやすいですね。

通常は反則となる場合

●次のように手や腕でボールに触れたとき

・手や腕を用いて競技者の体を不自然に大きくした。
・競技者の手や腕が肩の位置以上の高さある。(競技者が意図的にボールをプレーしたのち、 ボールがその競技者の手や腕に触れた場合を除く)

これらの反則は、ボールが近くにいる別の競技者の頭または体(足を含む)から競技者の手や腕に直接触れた場合でも適用される。

出典:競技規則|日本サッカー協会

通常は反則となる場合、つまりセーフの場合もあるよという曖昧さを含んだ基準がこちら。手を広げ不自然に体を大きくした状態で触れた場合や、肩以上の位置に手や腕がある場合。意図的ではなくてもこのような場合は基本はハンドを取られますが、審判の裁量によってセーフになることも。

ここが誤審だの買収だの外野から言われてしまうポイントな気がします。どの程度手を広げていたら不自然かどうかは見る人によって基準が変わってしまいますからね。

反則とはならない場合

●競技者自身の頭または体(足を含む)から直接触れる。

●近くにいた別の競技者の頭または体(足を含む)から直接触れる。

●手や腕は体の近くにあるが、手や腕を用いて競技者の体を不自然に大きくしていない。

●競技者が倒れ、体を支えるための手や腕が体と地面の間にある。ただし、体から横または縦方向に伸ばされていない。

ゴールキーパーは、自分のペナルティーエリア外でボールを手または腕で扱うことについて、他の競技者と同様に制限される。ゴールキーパーが、自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、間接フリーキックが与えられるが、懲戒の罰則にはならない

出典:競技規則|日本サッカー協会

反則とならない場合のルールがこちら。自分がプレーしたボールの跳ね返りや、近くの選手に当たったボールの跳ね返りといった予期せぬ状況で手に触れてしまった場合。手が不自然な位置でなければファウルとはなりません。ここも曖昧っちゃ曖昧ですよね。

このルールの文言から分かることは、あきらかにわざと触ったり、手を使ってゴールに結びついた場合はファウルになるけど、それ以外の場合はならないかも。といったところでしょうか。オフェンス側には厳しく、ディフェンス側にはかなり振り幅をもたせています。これは今後も「今のPKだろ」の議論は尽きなさそうですね。

結局アーノルドはハンドだったのか

改正されたルールを確認したうえで、結局アーノルドはハンドだったのかどうなのか。検証してみます。

まずは立ち上がり直後、先制点が生まれる直前のシーンについて検証。

アーノルドの手に当たったことがクローズアップされがちですが、実はロブレンのクリアボールがベルナルド・シウバの手に当たり、ボールの方向が変化したことでアーノルドの手に当たっています。これはややこしい笑

アーノルドだけに注目すると、手を不自然に広げていると捉えられなくもないのでハンドになってもおかしくないです。ですが、その前にベルナルド・シウバの手に触れている時点で本来ならファウルになっているはず。

このプレーを流した結果のカウンターでリヴァプールが先制点を奪いますが、仮に得点がなければVARのチェックによりベルナルド・シウバのファウルを取り、リヴァプール側のFKとなっていたかもしれません。

明確にハンドと判断できかねる状況においてプレーオンを選択した主審、気を緩めずにカウンターを仕掛けた結果ゴールを奪ったリヴァプール。アンフィールドでこの得点を取消にしてまで、遡ってベルナルド・シウバのハンドを取るなんてことは考えにくいですし、妥当な判断だったのではないかと思います。

つづいて終了間際のシーンを検証

これはセーフでしょう!

間違いなくわざと触っている訳ではないですし、手を広げたことで不自然に体を大きくしているという点も該当しないでしょう。このシーンでは主審もすぐ近くで見ており、ノーファウルは文句無しで妥当だと思います。

そもそもスターリングもわざと手を狙っていた感がありますし、オフェンス側が明らかにわざとディフェンスの手を狙ってボールを当てた際には、ファウルをとってもいいんじゃないかとちょっと思いました。それだと昨シーズンのCL決勝でのマネも微妙な感じになるのでそれはいいか。

今後も議論は尽きなさそう

曖昧さを残しているルールと、目まぐるしく変わっていく戦況にレフェリーの裁量。さらにまだ成熟していない、本来微妙な判定を見るためのVARの介入も絡み合って、納得のいかない判定は今後も起こってしまいそうです。

サポーター側もルールをある程度は把握して、微妙な判定があったとしても贔屓チームが恩恵を受ける場合もあれば、逆の場合もあるということを受け入れ、寛大な気持ちで見れるといいですね。なにより冒頭でも書きましたが、最高の選手たちによる素晴らしい試合が、プレーの質ではなく判定の話しで盛り上がってしまうのは本当に残念。とは言ってもやっぱりリヴァプール側に不利な判定がくだされたら腹は立つかな笑

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